副業解禁とは、企業が就業規則を見直し、従業員の副業・兼業を認めることです。働き方改革や人材の多様化を背景に、副業を容認する企業は年々増えています。副業容認の条件、開示促す 厚労省が指針改定案 - 日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA27A7G0X20C22A6000000/本記事では、副業解禁が企業に与える影響を、メリット・デメリットと解禁前の準備に分けて整理します。あわせて、副業解禁を「人材確保のチャンス」に変える視点も解説します。本記事でわかること厚労省ガイドライン改定の概要と狙い副業解禁に対する賛否両論の論点副業人材を活用する際のポイント社内人材流出リスクへの対策副業解禁とは?企業に広がる背景を整理副業解禁とは、企業が従業員に対して本業以外の仕事(副業・兼業)を認めることを指します。かつて多くの日本企業は就業規則で副業を原則禁止としてきました。しかし2018年に厚生労働省がモデル就業規則から副業禁止規定を削除し、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表したことで、流れは大きく変わりました。背景にあるのは、働き方改革と人材の多様化です。終身雇用や年功序列が揺らぐなか、従業員が複数の収入源やキャリアの選択肢を求める動きが強まっています。実際、副業・兼業を「認めている」「認める予定」と回答した企業は約7割に達するという調査もあります(経団連調査)。副業解禁は、もはや一部の先進企業だけの話ではありません。厚労省ガイドライン改定で企業の何が変わったか副業解禁を理解するうえで欠かせないのが、厚生労働省のガイドライン改定です。2022年の改定では、企業に対し「副業を認める条件」や「副業を制限する場合はその理由」を公表するよう促す内容が加わりました。罰則はありませんが、情報開示によって副業の普及を後押しする狙いがあります。ポイントは、副業を制限できるのが限られた場合だけだということです。現行ガイドラインでは、労働者の安全、業務上の秘密保持、競業の回避、企業の名誉・信用のいずれかを妨げる場合に副業を禁止・制限できると定めています。逆に言えば、これらに当たらない一律禁止は見直しが求められます。働く人材は副業のしやすさを企業選びの判断材料にするため、条件整理は人材獲得にも直結します。企業が副業を解禁する3つのメリット企業が副業を解禁するメリットは、大きく3つあります。メリット1:人材の確保とスキルアップ社員が副業で得た経験やノウハウは、本業にも還元されます。さらに、副業を認める企業は求職者にとって魅力的に映り、採用競争力が高まります。メリット2:社員の定着とエンゲージメント向上副業を通じて成長実感や収入の選択肢を得た社員は、会社への納得感を持って働きやすくなります。メリット3:外部の副業人材を受け入れやすくなる自社が副業を解禁していれば、他社で副業を希望するプロ人材を迎え入れる土台ができます。社内に不足するスキルを外部の副業人材で補える点は、見落とされがちな利点です。副業解禁で企業が直面するデメリット・リスクと対策メリットの一方で、副業解禁には企業が備えるべきリスクもあります。代表的なのは次の3点です。リスク1:労働時間管理と過重労働副業先の労働時間も通算して把握する必要があり、社員の健康確保が課題になります。本業と副業の合計が過労死ラインに達しないよう、申告制などで状況を把握する仕組みが欠かせません。リスク2:情報漏洩・競業のリスク副業を通じて自社のノウハウや機密情報が外部に流出する懸念があります。秘密保持や競業避止のルールを就業規則で明確にしておく必要があります。リスク3:社内人材の流出リスク副業先の仕事が魅力的で、社員がそちらへ転職してしまう可能性は否定できません。対策の本質は「この会社で働き続けたい」と思える環境づくり、すなわちリテンション(人材定着)の強化にあります。副業を解禁する前に企業が整える4つの準備副業解禁を成功させるには、解禁前の準備が決め手になります。最低限おさえたいのは次の4ステップです。ステップ1:就業規則の見直し副業を「原則容認」に切り替え、禁止・制限する条件を具体的に明記します。一律禁止のままでは、トラブル時に有効と認められない可能性があります。ステップ2:申請・届出ルールの整備社員が副業を始める際の申請方法や、会社が把握する範囲を決めます。労働時間の通算管理もここに含めます。ステップ3:情報管理ルールの明確化秘密保持・競業避止の取り扱いを定め、漏洩リスクを抑えます。ステップ4:受け入れ体制の設計自社が外部の副業人材を受け入れる場合に備え、業務範囲や評価方法をあらかじめ整理します。これらは法務・労務の専門知識を要するため、社労士や外部人材活用の専門家と連携して進めると安心です。【関連記事】「副業人材活用の始め方|失敗6パターンと成功企業の共通点」「【企業向け】副業マッチングサービスおすすめ13選|選び方と料金を徹底解説」副業解禁を「人材確保のチャンス」に変える視点副業解禁は、守りの対応にとどまりません。最大の機会は、「外部の副業人材」を自社に迎え入れられることです。副業を認める企業が増えるほど、高いスキルを持つ人材が副業として活躍するケースが増えています。これまで採用が難しかった専門人材に、副業という形で参画してもらえる可能性が広がります。人手不足やスキル不足を抱える企業にとって、副業人材は即戦力の補完手段になります。週1日からのスモールスタートも可能で、正社員採用よりも柔軟に始められます。ただし、成果を引き出すには受け入れ側の体制づくりが欠かせません。誰が・何を・どこまで任せるかを明確にしておくことが、副業人材活用の成否を分けます。まとめ|副業解禁時代に企業が踏み出す一歩副業解禁は、働き方改革と人材多様化を背景に、今後も広がっていく流れです。企業にとっては、労働時間管理・情報漏洩・人材流出といったリスクへの備えが必要な一方で、人材確保・定着・外部人材活用という大きなチャンスでもあります。まずは就業規則と受け入れ体制を整え、「副業の在り方」を社内で話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。守りと攻めの両面で準備を進めることが、副業解禁時代の人材戦略の第一歩になります。副業人材の活用するならマイナビProfessional副業解禁の流れを「人材確保のチャンス」として活かすには、受け入れ体制の整備や活用ノウハウが不可欠です。外部人材活用に精通したプロ人材の力を借りれば、副業人材の受け入れ体制構築や社内制度の整備、労務管理の仕組みづくりを、戦略設計から実行まで伴走支援できます。週1回の壁打ち相手としてのスモールスタートも可能です。マイナビProfessionalは、6万人超のプロ人材データベースから貴社の課題に最適な人材を選定し、専任チームが伴走します。ノウハウは社内に蓄積されるため、支援終了後は自社だけで副業人材を活用できる組織へと成長できます。まずはサービス資料をご覧ください。