新規事業企画書には何を書けばいい?新規事業企画書には、事業の目的・ビジョン、ターゲット顧客、市場・競合分析、商品・サービス概要、資金計画・収益シミュレーション、実現までのスケジュールの6項目を記載します。最も重要なのは「なぜこの事業を行うのか」という目的の明確化です。銀行融資や社内承認を得るには、官公庁など信頼性の高いデータを根拠に収益予測を示しましょう。リスクと対策まで含めることで説得力が高まります。本記事でわかること企画書と事業計画書の違い記載すべき6つの必須項目説得力を高める5つのポイント自社の強みを活かす差別化の考え方人材確保・体制づくりの注意点新規事業の企画書とは新規事業企画書とは、新しいビジネス(新規事業)をはじめる際に必要となる書類です。新規事業の目的はもちろん、市場分析の結果、ターゲット、事業資金の算出や収益予想に至るまで、幅広い事項を記載します。新規事業企画書は、新規事業の設計図としても、またPR書類としても効果を発揮します。融資を必要としない小さな個人事業などの例外を除けば、新規事業立ち上げ前に必ず作成しておきたい書類です。事業計画書との違い新規事業企画書と類似した書類に「事業計画書」があります。両者は以下のとおり、作成タイミングと概要が異なります。ただし、事業計画書の定義は曖昧です。企業によっては新規事業企画書と同義で使用されるケースもあるため、文脈に注意しましょう。新規事業企画書事業計画書作成タイミング新規事業の立ち上げ前事業開始後内容新規事業の実績がない状態で将来の見通しを書く書類。アイディアの詳細や事業目的、顧客層、資金調達や収益シミュレーションなどを詳しく記載。運用中のビジネスの短期・中期的将来について記載する書類。過去実績を主な根拠として提示しつつ、将来を予測。新規事業企画書を作成する目的新規事業企画書を作成する目的は、これから挑戦したいビジネスについて誰にでもわかりやすく書面で説明することです。新規事業企画書が活躍する場面はさまざまです。銀行や投資家からの融資の引き出し、自社の経営層の説得など、社内外どちらの相手にも提示する機会はあります。いかに優れた新規事業のアイディアが頭の中にあろうとも、それを人に伝えられなければビジネスは成り立ちません。新規事業企画書には、頭の中のアイディアを説得力のある形で落とし込み、ほかの人に伝える役割があります。新規事業企画書の記載内容では、新規事業企画書に説得力を持たせるためには何を記載すればよいのでしょうか? 必要事項を具体的に見ていきましょう。記載内容1:新規事業の目的・ビジョン最も大切となるのが、新規事業の目的・ビジョンです。「なぜ新規事業を行うのか?」が伝わらなければ、そこで話は終わってしまいます。新規事業企画書では、自社の現状や課題を挙げ、それを受ける形で新規事業の目的やビジョンを説明します。たとえば、コーヒー豆の卸業者が新規事業としてカフェを営みたい場合、以下のような内容が考えられるでしょう。課題ここ数年、仕入れ先は豊富にあるが、卸先の確保に苦慮している新規事業の目的自社直営のカフェによりコーヒー豆の安定した消費先を作り、その売上を新たな収益の柱とする。将来的に「○○カフェのコーヒー豆」としてブランドを活かした通販販売を行うことも視野に入れる。記載内容2:新規事業のターゲットどのような顧客層をターゲットにした新規事業なのかを明確にすることも重要です。カフェの例であれば、ある程度安定した収入を持つ人に向けた高級路線なのか、学生も歓迎の庶民派路線なのかで、事業の内容もまったく異なります。少なくとも以下の属性は検討し、メインとなるターゲット層の明確化を進めましょう。これらは、マーケティング戦略などの、市場細分化の切り口の一つである「デモグラフィック変数」と呼ばれる統計指標です。性別年齢層職業年収家族構成居住地域記載内容3:市場や競合の現状・分析結果新規事業企画書では、自社がこれから乗り出そうとしている市場の分析結果も記載すべきです。ビジネスは、優れた商品・サービスを提供することはもちろんですが、消費者からの需要がなければ成立しません。将来性のある市場だと伝えることができれば、新規事業企画書の訴求力も強まります。少なくとも以下の内容については調査しておきましょう。市場全体の規模(業界の総売上)競合の規模・現状顧客のニーズ業界全体が抱える課題SDGsなど時勢にまつわる現状分析の精度を高めたい方は、『新規事業立ち上げに役立つ厳選フレームワーク』で具体的な手法を確認することをおすすめします。記載内容4:扱う商品やサービス概要新規事業企画書のメインとなるのが、新ビジネスで取り扱う商品やサービスの概要説明です。ここまでの自社課題や新規事業の目的、想定するターゲット、市場や競合他社の現状といった内容を受け、「だからこそ、この商品(サービス)を提供します」といった解決策を記載します。この対応関係がズレてしまうと、新規事業企画書全体の説得力が失われてしまいますので注意しましょう。記載内容5:事業資金の算出・収益シミュレーション商品(サービス)を提供するために必要な事業資金の算出やビジネス運用後の予想収益も、新規事業企画書には欠かせない内容です。特に銀行融資など資金調達を目的としている場合、金銭面のシミュレーションが曖昧だと、机上の空論と判断されてしまう可能性もあります。新規事業企画書では、事業計画書と異なり既存の実績を提供できません。相手に「確かに納得できる」と判断されるための客観的な根拠が求められます。重要なのは、官公庁や業界最大手の団体が公表する信頼性の高い情報・数値を用いて計算することです。資金調達の選択肢として、『新規事業立ち上げ時の助成金・補助金』の活用も検討してみてはいかがでしょうか。記載内容6:実現までの計画・スケジュール新規事業開始までのスケジュールを含めた具体的な計画も、企画書に記載しておかなければいけません。新規事業企画書を提示する際、相手は「実際のところこれほどうまく進むのか?」と疑問に思っているものです。具体的なスケジュールまで伝えることで、実現可能な計画であると強く伝えることができます。前述のカフェの例でいえば、少なくとも以下にまつわる計画は求められるでしょう。物件の確保従業員の確保コーヒー以外の仕入れ先の確保業務内容のマニュアル化行政関係手続きの予定開店の周知方法開店予定日新規事業計画書を書くコツ・ポイント前述のとおり、新規事業計画書に記載すべき内容は多岐に渡ります。ここで、魅力的な計画書に仕上げるためのコツ・ポイントをあらためてチェックしておきましょう。ポイント1:目的や目標は明確化しておく新規事業の目的や目標は、可能な限り明確に記載しましょう。単に「リスクヘッジのため」「新たな収益の確保」といった内容では説得力が十分ではありません。「5年以内に自社の売上の3割(○○○万円)を新規事業で占める」など、具体的な数値を交えると、相手に必要性を共有しやすくなります。ポイント2:現状の課題を理解しておく新規事業の実現にあたり、現状考えられる課題を洗い出しておくことも有効です。課題を明確化することで、非現実的なプランとなっていないかを再確認できます。課題の明確化により、非現実的なプランとなっていないかを再確認できます。 事業が動き出した後では、「ここまでの投資が無駄になる」と考えてしまい、撤退の判断も難しくなります。ポイント3:リスクを把握しておく新規事業企画書に説得力を持たせるための一工夫として、リスク(ネガティブな側面)を記載することも覚えておきましょう。聞こえのよい内容だけの新規事業企画書は、「見通しが甘い」「信用できない」と敬遠される場合があります。新規事業が順調に進まない未来についても想定し、その対策と、その場合でも見込める収益を訴求しましょう。新規事業でよくある失敗パターンについては、『ビジネスモデル設計7つの落とし穴』で詳しく解説しています。ポイント4:自社の強みを活かした事業戦略を立てる説得力を持たせるために、新規事業の戦略立案時には自社ならではの強みを打ち出すことも必要です。新規事業では、すでにその市場でビジネスをしている競合他社や、将来的に参入してくる後発他社と争います。そこで、「なぜ自社の新規事業が競合や後発を打ち負かせるのか?」を説明できるだけの差別化が求められます。「コーヒー豆卸業者としての30年の経験を活かし、他社よりも安く美味しい1杯を提供するカフェ」のように、自社だからこその価値を考えてみてください。企画書が魅力的に仕上がるだけでなく、新規事業開始後のビジネス成功のカギともなり得ます。ポイント5:新規事業をはじめる人材は確保できているか見落としがちなポイントとして、新規事業をはじめるために必要な人材の確保や体制づくりが挙げられます。アイディア自体は優れていても、人的リソースの観点から実現が難しい計画書も散見されます。新規事業を担う人材には、その分野の知識や経験、リーダーシップなど、さまざまなスキルが求められます。新規事業に必要な人材の具体的な選び方やスキル要件については、『新規事業立ち上げに必要なメンバーの選び方まとめ』で詳しく解説しています。新規事業企画書の作成に、プロ人材という選択肢説得力のある新規事業企画書を作成するには、市場分析、収益シミュレーション、競合との差別化戦略など、多岐にわたる専門知識が求められます。しかし、「新規事業の立ち上げ経験を持つ人材が社内にいない」「本業と並行しながら企画書作成に十分な時間を割けない」といった壁に直面する企業も少なくありません。そこで有効なのが、新規事業開発の経験豊富なプロ人材の活用です。事業戦略の策定経験を持つプロフェッショナルが、市場調査の設計から収益計画の精緻化、投資家や経営層を納得させるストーリー構築まで、企画書作成の各フェーズを支援します。「週1回の壁打ち相手として」「企画書の特定セクションだけ任せる」といったスモールスタートから始めることも可能です。マイナビProfessionalのご紹介「新規事業企画書に何を書けばいいかわからない」「銀行融資や社内承認を得られる説得力のある企画書を作りたい」——そんな課題を感じている方も多いのではないでしょうか。マイナビProfessionalは、新規事業開発に精通したプロ人材が、企画書作成から事業立ち上げまで伴走支援するサービスです。戦略コンサルタント出身者や複数の新規事業を成功に導いた事業開発のプロが、市場分析の精度向上、収益シミュレーションの妥当性検証、自社の強みを活かした差別化戦略の構築をサポートします。6万人超のプロ人材データベースから最適な人材を選定し、最短3週間で協働を開始。マイナビの専任チームが進行管理まで担うため、初めての外部人材活用でも安心です。「まずは企画書の方向性を相談したい」という段階でも構いません。まずはサービス資料をご覧いただき、お気軽にご相談ください。