新規事業開発とは、自社が持たない新しい製品・サービスや市場を切り拓き、次の収益の柱をつくる活動です。新規事業開発の成功には、経験・専門知識・リーダーシップの3要素が不可欠です。成功率は3割未満といわれる厳しい領域ですが、市場分析アイデア創出課題洗い出し事業戦略構築計画立案実行・PDCAという6ステップを着実に踏むことで成功確率を高められます。自社だけでの対応が難しい場合は、該当分野の経験を持つ外部人材(プロ人材・顧問)の活用も有効な選択肢です。本記事でわかること事業開発の定義と重要性成功に必要な4つの能力・知識求められる4つの実務スキル新規事業開発の6ステップよくある失敗と成功のポイント新規事業開発とは?新規事業開発とは、自社がこれまで扱ってこなかった製品・サービスや市場に挑み、新たな収益の柱を築く一連の活動です。英語ではBusiness Development(BizDev/ビズデブ)と呼ばれます。既存事業の改善・拡大とは異なり、経験のない領域へ踏み出す点に特徴があります。そのため難易度が高く、成功率は3割未満ともいわれます。では、なぜ企業はリスクを取ってまで新規事業開発に取り組むのでしょうか。最大の理由は、将来へのリスク分散になるからです。ビジネスは感染症の流行や市場の急変など、想定外の外的要因で一気に窮地へ追い込まれることがあります。一つの事業だけに依存する経営は、こうした不測の事態に弱いといえます。また、既存事業が優れているほど後発の企業に模倣され、競争が激化してしまうケースも多々あります。複数の収益源を持つことが、長期的な成長と生き残りの土台になるのです。【関連記事】「新規事業の立ち上げ方|担当者が押さえるべき5つのポイントと注意点」新規事業開発を成功させる6つのステップ新規事業開発は、次の6つのステップで進めると全体像を見失わずに済みます。市場の分析・調査アイデアの創出・方向性の明確化現状の課題の洗い出し事業戦略・モデルの構築事業の計画・立案事業の実行・PDCAサイクルステップ1:市場の分析・調査まず必要となるのが市場の分析・調査です。優れた商品であっても需要がなければビジネスとして成り立ちませんので、収益性があるかどうかの確認は必須です。十分な収益が見込めるか、競合に勝てるか、市場の将来性はあるかを正確に調べます。ステップ2:アイデアの創出・事業の方向性を明確化市場の分析後は、より具体的にアイデアを創出し、事業の方向性を明確に定めていきます。ターゲットは個人向けか法人向けか、価格帯やチャネルはどうするかを考え、アイデアを現実に落とし込みます。フレームワークの活用も有効です。【関連記事】「新規事業のフレームワーク8選|立ち上げフェーズ別の選び方と使い方を解説」ステップ3:現状の課題の洗い出し次に、アイデアを事業として実現するにあたっての課題を洗い出します。たとえば小売業者がカフェを始めるなら、物件・設備・人材・仕入れ先の確保といった課題が見えてきます。ステップ4:事業戦略・モデルの構築次に、解決策を検討しつつ事業戦略・モデルを構築していきます。資金調達・販売計画・プロモーション・人員配置を組み合わせ、自社ならではの勝ち筋を設計します。ステップ5:事業の計画・立案続いて、具体的な日時や数字を含んだ計画を立案します。開店日・採用計画・契約・法的手続きなどを、いつ・誰が・どう進めるかまで具体化することがポイントです。【関連記事】「新規事業企画書の書き方|必須6項目とそのまま使えるテンプレート・記入例」ステップ6:事業の実行・PDCAサイクルを回す上記のプロセスを経て、いよいよ新規事業をスタートさせます。重要なのは、顧客の反応や予想外の出来事を受け止めつつPDCAサイクルを回していくことです。柔軟な方向修正はもちろん、あらかじめ決めた基準に沿った勇気ある撤退も必要です。新規事業開発に必要な能力・スキル新規事業開発の成否を分ける力を、重複を整理して5つにまとめました。能力・スキル1:該当分野の経験と専門知識机上の空論ではなく実際の経験が成否を左右します。挑戦する分野に詳しい人材や外部のプロ人材を取り入れ、既存事業の専門知識と掛け合わせると独自の価値が生まれます。能力・スキル2:情報収集・分析力新規事業開発では市場の動向や顧客のニーズなど、さまざまな情報を収集・分析しながらプロジェクトを進めます。確証バイアスを避け、論理的に判断する姿勢が欠かせません。能力・スキル3:言語化・コミュニケーション力チーム内で構想や考えを言語化し共有することは新規事業開発において特に重要です。他部門への協力要請や顧客との対話も多く、暗黙知を形式知に変えれば引き継ぎもスムーズになります。能力・スキル4: 営業・マーケティング力営業やマーケティングがうまくいかなければ、優れたアイデアがあっても失敗に終わってしまいます。初期の販売やプロモーションを担える力、専門部署へ意図を伝える力が求められます。能力・スキル5:リーダーシップと進行管理 グループのトップには、メンバーのモチベーションを掻き立て、意欲的に作業へ取り組みたくなる環境をつくれる強いリーダーシップが求められます。加えて、開発を円滑に進めるスケジュール管理力も重要です。成功のポイントとよくある失敗新規事業開発を成功させるためのポイントは大きく5つあり、以下の通りです。軸となるコンセプトを決める顧客の需要(課題)を把握する参入する市場の規模と将来性の調査新規サービスに必要な環境を把握する撤退する基準をあらかじめ決めておく特に撤退基準は、損失の拡大を防ぐ安全装置になります。『いつ・どうなったらやめるか』を着手前に言語化しておきましょう。また、よくある失敗としてアイデアが出てこない補助金・助成金のどれが対象か分からない新規事業を考える時間がとれないの3点が挙げられます。いずれも、外部の知見や制度に詳しい人材を頼ることで解消しやすくなります。【関連記事】「新規事業が失敗する原因とは?7つのパターンと回避策をプロが解説」「新規事業の補助金7選|助成金との違い・申請の注意点を解説」「新規事業でPMFできない7つの原因|自己診断・改善策と継続/撤退の判断基準」自社だけで難しいときは外部人材・支援会社を活用するここまで見てきたように、新規事業開発には幅広い力が必要です。自社だけで全工程を担うのが難しいときは、外部人材や支援会社の活用が有効な選択肢になります。特に不足しがちなのが『その分野での実務経験』です。経験者をプロ人材や顧問として迎えれば、机上の検討にとどまらず、立ち上げのスピードを上げられます。支援会社を選ぶ際は、戦略の提案だけで終わらず実行まで伴走してくれるか、外注に頼り切らず社内に知見を残す内製化を支援してくれるかを確認しましょう。【関連記事】「新規事業の人材不足を解決する11の方法|社内・外部リソース活用術」マイナビProfessionalの新規事業開発支援と活用事例もし自社のみで新規事業開発が困難だと感じたのであれば、マイナビProfessionalの活用が解決策となり得ます。マイナビProfessionalは、6万人以上のプロ人材データベースから最適な人材を紹介する法人向けサービスです。戦略で終わらず実行まで伴走する点が特徴です。金銭面や契約期間、新規事業開発にあたってのご要望など、貴社の希望をヒアリングしたうえで最適な人材をご紹介します。活用事例①:ITセキュリティの新規事業開発従業員数50名以上のあるIT企業では、既存事業の伸び悩みから自社業務と親和性のある「ITセキュリティ分野」での新規事業開発を模索していました。そこで、大手ITセキュリティでのキャリアを持つプロ人材をマイナビProfessionalよりご紹介。月に2回、事業責任者との意見交換や事業設計でサポートし、開発の初期段階から外様感のない支援を実施できています。活用事例②:大手ゼネコンへの販路開拓・新事業開発「医療ツーリズム・業務効率改善ツール販売」に携わるある企業では、大手ゼネコンへの販路開拓と新規事業開発を計画していました。そこでマイナビProfessionalでは、国土交通省の勤務経験がある顧問をご紹介。顧問の人脈により契約当初から月3件以上のアポイントを獲得し、土木業界の悩みを解決する商材を協力開発、事業開発から6ヵ月後には黒字化に成功しています。まとめ新規事業開発は企業が生き残っていくうえで避けては通れない重要課題です。しかし成功に必要なことは多く、成功率も3割以下といわれています。成功の要は、本記事で紹介した6ステップという『型』と、不足を補う『経験』の掛け合わせにあります。自社のみでの対応が難しい場合は、経験豊富な外部人材をプロ人材として招き入れ成長のスピードアップを図る方法があります。その際はぜひマイナビProfessionalの活用をご検討ください。