新規事業立案を成功させるにはどうすればいい?新規事業の成功率は3割未満と厳しい現実がありますが、立案までの各段階で適切なフレームワークを使い分ければ、抜け漏れを防ぎ意思決定を速められます。本記事では、新規事業立案を「ビジョン決定・市場分析・アイデア発想・行動計画」の4つの目的に分け、各目的に対応するフレームワークを計8つ紹介します。まずは冒頭の早見表で『どの段階でどれを使うか』を一目で確認しましょう。本記事でわかること新規事業立案で得られる2つのメリット成功率を高める5つのプロセス目的別フレームワーク8選の使い方現実的な行動計画の立て方新規事業立案フレームワーク 目的別 早見表新規事業立案でやるべきことは膨大ですが、目的ごとに整理すれば迷いません。下表のとおり、立案は4つの目的に分かれ、各目的に2つずつフレームワークを当てはめてご紹介します。目的(段階)使うフレームワーク何のために使うか① ビジョン決定・MVV・PEST分析なぜその事業を行うかを定め、外部環境を把握する② 市場・方向性分析・3C分析・STP分析顧客・競合・自社を見極め、狙う市場を絞る③ アイデア発想・オズボーンのチェックリスト・KJ法発想を広げ、出たアイデアを整理する④ 行動計画・ビジネスロードマップ・PDCAサイクル実行計画を時系列化し、改善を回す迷ったら①から順に進めるのが基本です。以下では、フレームワークを使うメリットと立案の流れを押さえたうえで、8つを目的別に解説します。新規事業立案でフレームワークを使う2つのメリット新規事業立案でフレームワークを使う利点は、大きく2つあります。1つは「抜け漏れの防止」、もう1つは「意思決定の高速化とチームの目線統一」です。メリット1:検討の抜け漏れを防げるフレームワークは検討すべき項目があらかじめ決まっています。そのため枠に沿って書き出すだけで、見落としがちな観点(顧客・競合・自社、外部環境など)を体系的にカバーでき、思いつき頼みの計画にありがちな抜け漏れを防げます。メリット2:意思決定が速まり、チームの目線がそろう新規事業の立案では「何をすべきか」という方向性の決定に時間がかかります。フレームワークという共通の型を使えば、判断の根拠が可視化され、意思決定が速まります。同じ枠で議論することでチーム全員の目線もそろい、立ち上げ後の判断のブレを抑えられます。新規事業立案の5ステップとフレームワークの対応新規事業戦略にはストーリーが必要です。時間軸に沿ってどのように実現していくのか、プロセスの綿密な組み立てがリスク低減の鍵を握ります。以下の5ステップに、先ほどの早見表のフレームワークを対応させながら進めると、各段階で迷いません。ステップ1:目標や課題の明確化(フレームワーク:MVV)新規事業の成功数は、中小企業白書によれば調査した1,020社中292社と、3割にも満たない数字です[1]。だからこそ、全員の進む方向を合わせる目標・課題の明確化が出発点になります。ここではMVVで「なぜその事業を行うか」を言語化します。ステップ2:市場やターゲットのニーズ分析(フレームワーク:PEST分析・3C分析・STP分析)市場に需要のない商品やサービスを成功させることは困難です。業界や既存サービスを見直し、ターゲットの課題を解決できるか、将来性のある市場かを分析します。外部環境はPEST分析、顧客・競合・自社は3C分析、狙う市場の絞り込みはSTP分析が役立ちます。ステップ3:新規事業のアイデア・プランの検討(フレームワーク:オズボーンのチェックリスト・KJ法)ビジョンとマーケットを定めたら、何をどう販売するかを検討します。収益性のあるアイデアを見つけるのは簡単ではないため、発想を広げるオズボーンのチェックリストと、出たアイデアを整理するKJ法を使い分けます。ステップ4:現実的な行動計画の立案(フレームワーク:ビジネスロードマップ)「5W1H」に「だれに・いくつ・いくら」を加えた6W3Hで具体化します。立案企業の最多の課題は、必要な技術・ノウハウを持つ人材の不足です。時系列で全体像を描くビジネスロードマップで、必要な打ち手と障害を可視化します。ステップ5:行動の見直し・修正(フレームワーク:PDCAサイクル)立ち上げはゴールではなくスタートです。ニーズに合わせて改善を続け、時には事業の再構築や撤退も判断します。この継続的な改善を回す型がPDCAサイクルです。このように、5つの段階それぞれに適したフレームワークがあります。次章で8つを目的別に詳しく見ていきましょう。 【目的別】新規事業立案のフレームワーク8選大切なのは、正しいタイミングで適したフレームワークを使うことです。ここでは4つの目的の順に、8つを解説します。目的① ビジョン決定:MVV/PEST分析MVVMVVは「ミッション・ビジョン・バリュー」の頭文字です。なぜその事業を行うのか、何を目指すのか、どう行動するのかを定め、組織の目線をそろえます。立案の最初に活用したいフレームワークです。PEST分析PEST分析は「政治・経済・社会・技術」の4視点で、自社でコントロールできないマクロ環境を把握します。中長期の課題発見に役立ちます。【関連記事】詳しい手順は『【テンプレ付き】PEST分析の進め方と注意点|7ステップで基礎から実践まで解説』で解説しています。目的② 市場・方向性分析:3C分析/STP分析3C分析3C分析は「顧客・市場/自社/競合」の3者の視点から、自社の立ち位置と勝ち筋を見極めるフレームワークです。【関連記事】やり方は『【テンプレ付き】3C分析のやり方|失敗しない進め方と戦略への活かし方を解説』で詳しく紹介しています。STP分析STP分析は「市場細分化・ターゲット選定・ポジショニング」の3要素で、狙うべき市場と自社の立ち位置を絞り込みます。【関連記事】進め方は『STP分析の進め方|準備から戦略立案まで7ステップで解説』を参照してください。目的③ アイデア発想:オズボーンのチェックリスト/KJ法オズボーンのチェックリストオズボーンのチェックリストは、「ほかに使い道は」「大きくしたら」「逆にしたら」など9つの問いで発想を広げるフレームワークです。アイデアが煮詰まったときに有効です。KJ法KJ法は、出したアイデアを単位化・グループ化・図解化・文書化の4工程で整理する手法です。少数意見も拾え、偏りのない整理ができます。目的④ 行動計画:ビジネスロードマップ/PDCAサイクルビジネスロードマップビジネスロードマップは、目標達成に必要な事項を時系列で書き出したものです。全体像が視覚化され、障害に先回りして気づけます。PDCAサイクルPDCAサイクルは「計画・実行・測定評価・対策改善」を循環させ、事業計画をブラッシュアップする型です。検証しながら最適化する、行動計画に欠かせない考え方です。【関連記事】「ビジネスモデルキャンバスの書き方9ステップ|記入例と活用ポイントを解説」 フレームワーク活用を成功させる3つの注意点フレームワークは、当てはめるだけで簡単に使いこなせるわけではありません。成功のために、次の3点に注意しましょう。作ること自体を目的にしない。要点が掴めたら、すぐ検証・行動に移す。万能なフレームワークはない。複数を組み合わせて見落としを防ぐ。使用者の知識と経験で結果は大きく変わる。迷う場合は経験者の助言を得る。まとめ|目的別に使い分け、足りない実行力はプロ人材で補う新規事業立案は、4つの目的に分けて適切なフレームワークを使い分ければ、抜け漏れなく前に進められます。まずは早見表の①ビジョン決定から着手してみてください。一方で、フレームワークを知っていても「実際に立案を推進できる人材が社内にいない」「既存業務と兼務でリソースを割けない」という壁に直面する企業は少なくありません。そこで有効なのが、新規事業開発の実績を持つプロ人材の活用です。マイナビProfessionalは、戦略立案から実務実行まで一気通貫で伴走するプロ人材サービスで、6万人超のデータベースから貴社の課題に最適な人材を提案します。「週1回の戦略アドバイス」など必要な範囲から柔軟に始められ、協働を通じて社内にもノウハウが蓄積されます。まずはお気軽にご相談ください。参考文献・出典[1]第3章新事業展開の促進 - 2017年度版中小企業白書https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap3_web.pdf