人材育成はどう進めればうまくいく?人材育成を成功させるには、「強みを伸ばす」ことを主眼に置き、育成の優先順位と時間管理を徹底することが重要です。管理職の業務過多や育成される側のモチベーション低下など、よくある課題を把握した上で、OJT・Off-JT・eラーニングなど複数の手法を組み合わせましょう。キャリアプランを明確にし、評価方法も成果だけでなく取り組み姿勢を含めて見直すことで、社員のやりがいと定着率向上につながります。本記事でわかること人材育成の2つの目的育成現場でよくある3つの課題と対策OJT・Off-JTなど5つの育成手法の特徴外部リソース活用という選択肢人材育成を行う目的目的1:能力を最大限に発揮できるようにする「人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである」というドラッガーの言葉がるように、社会において強みは大切です。そのため人材育成の目的も弱みを消すことでなく、強みや優れている能力を引き上げることに主眼を置かないといけません。育成と聞くと「弱みを克服すること」と考えている人も多いでしょう。確かに時には弱みを克服するのも大切ですが、それに拘泥してはいけません。弱みを克服するだけで強みが生かせないようだと、器用貧乏な状態になってしまうからです。目的2:やりがいが見つかれば退職意欲が低くなる育成をする上で気になるのが「退職」。途中で退職されてしまえば育成に使ったお金などが無駄になってしまうからです。どうすれば退職を防げるのでしょうか。育成する社員が「仕事に対するやりがい」を見つかれば退職意欲が低くなり、退職のリスクを低減できます。やりがいがモチベーションとなり働く意欲などが掻き立てられるためです。仕事のやりがいは仕事を通じて得るのが基本となりますが、研修などを通じて伝えることもできます。人材育成でよくある課題・気を付けるポイント課題1:業務に追われて時間がない①管理職の業務量がとにかく多い人材育成をするときは管理職の業務量に注意しなければいけません。プレイングマネージャーが一般化したことや、働き改革が普及などによって、管理職の業務は大幅に増えました。そこに人材育成の仕事を追加すると、ほぼ確実に管理職はパンクします。そのため管理職を育成にかかわらせたいときは、業務の一部をほかの人に任せるなどの対策が必要になります。場合によっては現在のビジネスモデルを1から見直すことにもなりますので、気を付けてください。②人材育成の優先度や現状で費やせている時間を把握する人材育成の場では優先度や時間管理をしっかりすることも大切です。コミュニケーションスキルやビジネススキルなど習得してもらいたいものは多くありますが、すべてを習得させるには膨大な時間や資金が必要となります。ですが人材育成に使える時間や資金は、無限ではありません。有限な資源を有効に使用するためにも教えることに優先順位を設定したり、時間単位で効率よく教えられるものに絞ったりといった工夫が必要となります。課題2:何を目指して育てるのか明確化になっていない職種やポジションなどのキャリアプランを明確にする今ある課題を解決するために育成することは良いことですが、同時に将来どのような職種やポジションにつくのかなど、キャリアプランについても明確にしないといけません。自分のキャリアプランを明確にしていないと自分の進む道を見失います。ただ流されるままにキャリアを作り上げた結果、これといった強みを得られなかったという事態になりかねません。そのためキャリアプランなど目指すべき方向を明確にする必要があります。ただし現在は時代の変化が速いので、キャリアプランで決めた職種やポジションにとことんこだわるという必要はありません。ゴールを決めるのも大切ですが、時代に合わせて自分の在り方を柔軟に変化させていくこともまた大切です。社員が主体的にキャリアを形成する手法として、『ジョブ・クラフティングの意味とは?取り組むメリットや注意点を解説』も参考になります。課題3:育てられる側の意欲の低さ①評価方法や先輩社員を見てモチベーションが下がっている可能性を疑う一生懸命教育することは大切ですが、同時に教育を受ける人たちの評価方法についても考えないといけません。たとえば成果のみで評価すると、彼らが一生懸命取り組んでいたとしても成果が出ないために一切評価しないことになります。そうすると「何をやっても無駄だ」と思うようになり、場合によってはモチベーションそのものが低下しかねません。そうしたことを防ぐには、失敗を恐れず熱心に取り組んでいる姿勢を評価するなど、評価方法そのものを見直す必要があります。同時に先輩社員の振る舞いにも注意しなければいけません。先輩社員の姿は後輩たちのロールモデルや未来像になるからです。彼らが希望を持たずただ単に目の前の仕事をこなすようであると「自分も彼らのようになるのか」と思い、そのことが原因でモチベーションの低下が起きるようになります。先輩社員たちの働きぶりは社内環境の問題を端に発していることもありますので、場合によっては大掛かりな改革が必要になることもありますので気を付けてください。②イマドキ社員の可能性も考慮して、働きアリの法則を受け入れるどんなに人材育成の質がよくても、すべての社員が育成できるわけではありません。ときには働きアリの法則を受け入れる必要があります。働きアリの法則とは「2割はよく働き、6割は普通に働き、2割は怠ける」という法則です。どんな集団であっても優秀なのは2割だけであり、その上位2割の人材を生み出すと、必ず下位2割の低い人材も生み出してしまうことになります。すべての人材を成長させることはできませんので、下位2割の人材に関しては割り切るしかありません。イマドキ社員・Z世代の特性や活かし方については、『企業のこれからを担うZ世代と外部人材活用の親和性が高い理由とは』で詳しく解説しています。人材育成方法のメリット・デメリット育成方法1:OJTOJTは「On the Job Training」という言葉を意味しており、実際の仕事を通じて人材を育成するという方法です。OJTのメリットは「教育の成果がすぐに出る」ことです。教えることが「今の仕事で使用する知識やスキル」であり、すぐに使用できるため短期間で教育の成果が出るようになります。デメリットは「成果にばらつきがある」ことです。教える人は現場で働く人間であり、教育のプロではありません。そのため教える能力にばらつきがあり、良い担当者であれば高い成果が出る一方で、よくない担当者にあたった場合には思うような成果が出なくなります。OJTは教育するが側にも専用の教育が必要となりますので、そちらの面での教育環境も整える必要があります。育成方法2:Off-JTOff-JTとは「Off the Job Training」という言葉を省略したものであり、職場以外で行う研修などを通じて人材を教育する方法です。Off-JTのメリットは「体系的な教育ができること」にあります。管理職や技術職など階層や職能に分けて研修が行えるため、教える内容を体系的にわかりやすく伝えられます。デメリットは「即応性が低い」ことです。Off-JTは管理職や技術職など将来使えるかもしれないことは学習できますが、今の仕事で使えるものを学習できるとは限りません。そのため育成した成果を確認できるまでにある程度の期間を要します。育成方法3:人事評価制度人事評価制度とは社員を能力や成果などで評価して成長を促すという方法を指します。 人事評価制度を行うメリットは「育成のポイントが明確になる」ことです。社員が抱えている能力や課題などをもとに目標を決めるので、達成できればその人は成長できたことになります。デメリットは「目標設定の塩梅が難しい」ことです。目標を達成できれば給料を上げる、できなければ給料を下げると安直に設定すると、多くの人はリスクを避けて確実に達成できる目標だけを設定するようになります。こうしたことを防ぐためにはちょうどいい高さの目標を設定する必要があり、その塩梅をとるのは結構難しいです。離職率を下げる評価制度の作り方を知りたい方は、『人事評価制度の見直しで離職率低下へ!』もご参照ください。育成方法4:メンター制度メンター制度とは違う部署にいる社員をメンターにして新人などのフォローをさせる制度です。メンター制度のメリットは「離職率を低下させつつ育成ができる」ことです。同じ部署の人出は相談しづらいことも、ほかの部署の人であれば相談しやすいこともあり、育成をしつつ離職率も下げられます。デメリットは「メンター側に負担がかかる」ことです。メンター側も何かしらの仕事をしているため、自分の仕事に加えて新人のフォローなどの仕事が加わります。そのためメンター側の負担が大きく、そちらに対するフォローが必要になることも。育成方法5:eラーニングe ラーニングはインターネットを使って社員の育成を行う手法です。eラーニングの教育は「気軽に行える」というメリットがあります。インターネットを使うことから場所や時間を問わず育成がおこなえるようになります。逆に「実技を学べないの」がデメリットです。インターネットを通じての学習は知識を得ることはできますが、実技の教育は一切行えません。そのため実技に関してはほかの方法を探す必要があります。まとめ:年齢や立場によって適切な方法は異なる研修制度が整っている企業は少ない社員の育成が大切だと理解している企業は多いですが、実際に研修制度を整えて充実しているところは多くありません。企業の目的は社会貢献であるため、人を育てることは二の次になってしまうからです。さらに研修などにはお金が必要です。そちらにお金を使うと本業での投資金額が減ったり、社員に支払うお金が減ったりなど企業の活動そのものに影響をあたえることがあります。 そうした事情が、研修制度の整備を妨げています。人材育成の推進に、プロ人材という選択肢人材育成を成功させるには、育成計画の策定から研修設計、評価制度の整備まで、専門的な知見と実行力が求められます。しかし、「管理職が業務に追われて育成に時間を割けない」「研修制度を整備したいが、何から手をつければいいかわからない」「育成のノウハウを持つ人材が社内にいない」——こうした壁に直面している企業は少なくありません。このような課題に対して、人材育成・組織開発の経験を持つプロ人材の活用が有効です。研修プログラムの設計経験を持つHRプロフェッショナルが、育成体系の構築から評価制度の見直しまで伴走。OJTトレーナーの育成支援や、管理職向けのマネジメント研修の企画・実施など、社内だけでは難しい領域をカバーできます。週1回の壁打ち相手として、あるいは特定の研修プロジェクトだけを任せる形でも、スモールスタートが可能です。マイナビProfessionalのご紹介「管理職の業務量が多く、育成に手が回らない」「研修制度を整えたいが、社内にノウハウがない」——そんな人材育成の課題を感じていませんか?マイナビProfessionalは、人事・組織開発領域に精通したプロ人材が、育成体系の設計から研修の企画・実行、評価制度の改善まで一気通貫で支援するサービスです。6万人超のプロ人材データベースから、貴社の課題に最適な人材を選定。最短3週間で協働を開始できるため、「今期中に研修制度を立ち上げたい」といったスピード感のあるニーズにも対応可能です。さらに、プロと共に取り組む過程で育成ノウハウが社内に蓄積され、支援終了後も自走できる組織づくりを実現します。人材育成の進め方にお悩みでしたら、課題が整理できていない段階でも問題ありません。まずはサービス資料をご覧いただき、お気軽にご相談ください。