新規事業の立ち上げ方|最初に決めるのは「事業コンセプト」新規事業の立ち上げは、まず「事業コンセプト」を決めることから始めます。「何から始めればいいか分からない」という担当者は、この事業コンセプトの設計を起点に考えると、その後の手順が一気に整理しやすくなります。どんな顧客にどんな価値をどう届けるかという軸を定めた上で、顧客ニーズの把握、市場調査、必要な資金・人材・設備の確保へと進みます。成功率は約1割と言われるため、複数のアイデアを比較検討し、撤退基準も事前に設定しておくことが重要です。既存事業のリスク分散と将来の経営人材育成という2つの目的を意識しながら、段階的に準備を進めましょう。本記事でわかること新規事業を立ち上げる2つの目的立ち上げの基本ステップ(全体像)事業コンセプト策定から市場調査までの5つのポイント資金調達の3つの方法と選び方撤退基準の決め方新規事業立ち上げの基本ステップ新規事業の立ち上げ方を一言でいえば、「コンセプトを決め、検証しながら段階的に形にする」流れです。細かい作業に入る前に、まずは全体像を5つのステップで押さえておきましょう。事業コンセプトを決める(誰に・何を・どう届けるか)顧客ニーズ(課題)を把握する市場の規模と将来性を調査する資金・人材など立ち上げに必要なものを整える撤退基準を決めてから走り出す立ち上げに必要なことを一度にすべて揃えようとせず、上から順に一つずつ固めていくのが、失敗を避ける進め方のコツです。新規事業を立ち上げる2つの目的新規事業を立ち上げる目的は、大きく2つあります。目的1:既存事業に依存しない収益の柱をつくるため1つは、既存事業に頼らず持続的な企業経営を続けるためです。売上の多くを既存事業に依存していると、市場の成熟やニーズの変化で売上が落ちたとき、経営の継続が一気に難しくなります。中核事業が崩れてから新たな収益源を探しても間に合いません。第二の柱となる事業を、余力のあるうちに育てておく必要があります。新規事業は収益拡大だけでなく、他社との差別化や顧客からの信頼向上にもつながります。目的2:未来を担う経営人材を育成するためもう1つは、立ち上げ・運営の過程を幹部候補に経験させ、将来の経営層を育てるためです。ゼロから事業を育てる過程では、戦略立案・財務・人材育成・マーケティング・営業・数値管理など、経営に必要な知識と経験をひと通り積めます。大きなプロジェクトをやりきる経験は、本人の自信にもつながります。新規事業を立ち上げる5つのポイント立ち上げで押さえるべきポイントは、次の5つです。ポイント1:軸となる事業コンセプトを決めるまずは事業コンセプト、つまり「どんな顧客に、どんな品質のものを、どんな方法・価格で提供するか」という軸を決めます。軸が定まらないまま動き出すと、判断がぶれて時間とコストを浪費しがちです。ターゲットは法人か個人か、低価格・高品質か高級路線か、EC中心か実店舗か——コンセプト次第で事業の方向性が決まります。【関連記事】コンセプト策定のフレームワークは『新規事業を立ち上げるまでの厳選フレームワーク』で解説しています。ポイント2:顧客の需要(課題)を把握するコンセプトのターゲット顧客が何を求めているか、ニーズ(課題)を把握することが重要です。顧客が求めていないものをつくっても成果にはつながりません。どんな「困った」を、どんな手段で解決できるのかを掘り下げて研究しましょう。ポイント3:市場の規模と将来性を調査するその「困った」を感じる顧客が世の中にどれだけいるか競合は何社あり料金設定はどうかを調べるのが市場調査です。海外市場も含め、長く必要とされる将来性があるかを見極めます。【関連記事】具体的な手順は『新規事業の市場調査とは?進め方5ステップと手法7選を初心者向けに解説』を参照してください。ポイント4:立ち上げに必要な環境を整える新規事業には、まず資金が必要です。場所を借り、道具や材料を揃え、人件費を払う——あらゆる場面でお金がかかります。資金調達の方法は大きく3つです。銀行融資:相談しやすい一方、利息付きの返済が必要。融資比率が高いと自己資本比率が下がる投資家からの出資(エクイティ):返済義務はないが、経営に関与される可能性がある助成金・補助金:返済不要。種類や上限があるため事前に対象を確認する【関連記事】返済不要で経営の主導権を保ちやすい補助金・助成金から検討するのがおすすめです。対象は『新規事業の補助金7選|助成金との違い・申請の注意点を解説』で確認できます。資金以外に必要なものは、事業内容によって中身は変わりますが、大きく6つに整理できます。場所道具・設備材料・仕入先流通の仕組み人材広告(認知獲得)たとえば飲食店なら店舗と調理器具、ECなら開発環境とシステム人材が要になります。自社の事業に当てはめ、何が必要かを早い段階で洗い出しておきましょう。【関連記事】人材確保の進め方は『新規事業立ち上げメンバーの選び方|4つの人物像・6スキルと役割分担を解説』で詳しく解説しています。ポイント5:撤退する基準を決めておく立ち上げた事業が成功するかは未知数です。成功も失敗もせず将来性も乏しい状態でだらだら続けると、資金と時間を浪費します。一方、苦労して育てた事業ほど撤退の判断は鈍りがちです。そこで「5年後までに○○の規模で△円の利益が出なければ撤退する」といった数値基準を、立ち上げ前に決めておきましょう。【関連記事】典型的な失敗パターンは『新規事業が失敗する原因とは?7つのパターンと回避策をプロが解説』で確認できます。新規事業立ち上げでよくある3つの悩みと注意点立ち上げの現場でつまずきやすい、3つの悩みと注意点を押さえておきましょう。悩み1:アイデアが出てこない成功率は約1割とされ、失敗確率の方が高い中で有望なアイデアを見極める必要があります。複数のコンセプトを比較検討し、最低でも10個ほど候補を出すのが目安です。【関連記事】アイデアが固まってきたら『新規事業企画書の書き方|必須6項目とそのまま使えるテンプレート・記入例』を参考に企画書へ落とし込みましょう。悩み2:補助金・助成金のどれが対象か分からない補助金・助成金は種類が多く、何が対象になるか分かりにくいという声が多くあります。要件や上限を一つずつ確認し、対象になりそうなものから当たっていきましょう。悩み3:新規事業を考える時間がとれない既存業務と並行して進めるため、検討の時間を確保しにくいのも共通の課題です。専任体制が組めない場合は、外部の知見を借りることも選択肢になります。新規事業の立ち上げにプロ人材という選択肢新規事業を成功させるには、コンセプト策定から市場調査、資金調達、人材確保まで、多岐にわたる専門知識と実行力が求められます。しかし「立ち上げ経験を持つ人材が社内にいない」「既存業務と並行できる専任を置けない」という企業は少なくありません。成功率が約1割の領域を、経験のないまま手探りで進めるのは大きなリスクです。こうした課題には、立ち上げやグロースを経験したプロ人材の活用が有効です。コンセプトの壁打ち相手として客観的な視点を持ち込み、市場調査や事業計画のノウハウを補い、実行フェーズまで伴走できます。マイナビProfessionalのご紹介マイナビProfessionalは、新規事業の立ち上げ経験を持つプロ人材が、事業コンセプトの策定から市場調査、事業計画の具体化、実行フェーズまで一気通貫で支援するサービスです。コンサルティングのように戦略提案で終わらず、実行まで伴走し、推進のノウハウを社内に残す内製化支援までを射程に入れている点が特徴です。6万人超のプロ人材データベースから、貴社の業界・課題に最適な人材をご提案。マイナビの専任チームが伴走するため、外部人材の活用が初めてでも安心して進められます。プロと共に立ち上げる過程で推進ノウハウが社内に蓄積され、将来の経営人材育成にもつながります。「まだ課題が整理できていない」段階でも構いません。まずはサービス資料をご覧いただき、お気軽にご相談ください。