この記事でわかること効果的な営業計画の立て方営業組織を構築する具体的なステップ 外部リソース別(営業代行・派遣・フリーランス)の活用方法 立ち上げ期に成果を出す営業組織の5つの原則はじめに新規事業では、事業計画や革新的なプロダクト開発に注力する一方で、営業戦略の設計や営業組織の立ち上げが後回しになりがちです。その結果、収益化が遅れ、事業成長が停滞するケースは少なくありません。ゼロから価値を生み出す新規事業において、早期に安定した売上基盤を築けるかどうかは、事業の成否を左右する最重要要素です。売上が立たない期間が長引けば赤字が積み重なり、事業継続すら危うくなります。本記事では、新規事業が直面しやすい営業の課題を整理し、戦略策定から成果につながる営業組織づくりまで、実務で活かせる具体策を解説します。最短で収益化を実現するため、自社の新規事業推進にぜひお役立てください。新規事業の営業が直面する5つの壁既存事業は、既に形成された顧客基盤や認知を活用し、比較的スムーズに営業展開ができます。一方、新規事業は未知の市場に挑むことが多く、従来の営業手法が通用しないケースが少なくありません。まずは新規事業ならではの特性と障壁を正しく認識し、その前提に立った戦略設計を行うことが、成功への出発点です。壁1:限られた人員と予算新規事業は、まだ成功が見通せない段階からスタートします。そのため、大規模な投資や十分な人員を最初から確保するのは現実的ではありません。既存部署から優秀な営業人材を集めることが理想ですが、多くの場合は難しく、限られたメンバーで成果を出す体制づくりが求められます。立ち上げ初期には、営業ノウハウや勝ちパターンもありません。既存商材で成果を上げてきた営業担当でも、新規事業では同じ結果が出るとは限らず、適任者の見極めも容易ではありません。広告予算も潤沢に使えない場合が多く、「どう認知を高め、リードを獲得し、商談につなげるか」。限られたリソースの中で、どこに集中投資するかが、立ち上げ期の最初の重要な意思決定になります。ポイント人員確保が難しい営業ノウハウや成功モデルがない限られた広告予算で最大効果を出す必要がある<解決策>外部リソース(営業代行など)の活用や、インサイドセールスの徹底による効率化が求められます。(後述の「外部リソース別(営業代行・派遣・フリーランス)の活用方法」を参照ください)外部リソース活用の具体的な成功事例については、業務委託でのフリーランス・副業活用が新規事業でも効果的な理由で詳しく紹介しています。壁2:市場ニーズと想定のギャップ新規事業は事前に調査を行い、有望な市場と判断してスタートしています。しかし、実際に営業を始めると「思っていた市場と違う」という状況は決して珍しくありません。競合がこちらの動きを察知して価格を下げる、想定外のプレイヤーの参入などにより、市場環境は一瞬で変わります。顧客のニーズは机上の分析だけでは掴みきれず、潜在ニーズと顕在ニーズのズレや想定外の課題が現場で浮き彫りになることも多々おこってきます。この局面で重要なのは、プロダクトではなく市場を見る姿勢。顧客の声と市場の変化を踏まえ、戦略・ターゲット・アプローチを素早く修正できるかどうかが成果を左右します。市場とのズレを早期に察知し、柔軟に軌道修正できる組織こそ、新規事業を成長軌道に乗せられます。ポイント市場環境の変化(競合の値下げ、新規参入 など)顧客ニーズのズレや新たな課題の発見プロダクト思考ではなくマーケット思考が重要壁3:ターゲットの曖昧さ新規事業では、「誰に売るのか」が不明確なまま動き出してしまうケースが少なくありません。ターゲットが広すぎると、メッセージが誰にも刺さらず、成果につながりません。一方で狭すぎると想定顧客が少なく、スケールに限界が生じます。重要なのは明確なペルソナ(理想的な顧客像)を設定し、「なぜその層が最も可能性が高いのか」という仮説を持ったうえで、まず集中すべき顧客を選びます。新規事業の初期は、この明確なターゲットに絞り、仮説検証を高速で回すことが成長の鍵です。ポイント広すぎるターゲット:誰にも刺さらない狭すぎるターゲット:市場規模が足りずスケールしない明確なペルソナと優先仮説を設定し、営業活動で検証する<解決策> 明確なペルソナを設定し、「このカテゴリーは○○という理由で見込みが高い」という仮説を立てて優先順位をつける。壁4:勝ちパターンの未確立既存事業では、蓄積されたノウハウにより「このパターンは受注確率が高い」という価値パターンが存在します。しかし新規事業は、ゼロからその型をつくる段階です。営業トークや提案資料などのツールも開発途中で、顧客の「NO」に切り返す術が十分に整っていません。成約の見込み精度は不安定で、「いける」と思った案件が想定以上に失注することも珍しくありません。こうした状況では、偶発的な成功に頼るのではなく、勝ちパターンを見極め再現性のあるプロセスを作り上げることが求められます。そのために、仮説検証を高速で回し、成功・失敗の要因を整理・共有し、組織として機能する“型”へ落とし込んでいくことが重要です。ポイント成約見込みの精度が安定しない商談での切り返しトークやツールが未成熟成功パターンを早期に構築し、再現性を高める <解決策>PDCAサイクルを高速で回し、成功・失敗要因を定量・定性両面から分析。早期に勝ちパターンを確立し、再現性のある営業プロセスを構築する。属人化せず成果を上げる営業の仕組み化に興味がある方は、セールスイネーブルメントとはもあわせてご覧ください。壁5:知名度とブランド力の不足新規事業には既存事業のような顧客基盤や口コミがなく、立ち上げ初期の営業では問い合わせが自然には発生しません。信頼も実績もゼロから積み上げる必要があり、比較検討の場では実績を持つ競合が優位に立ちやすく、成果が出るまでに時間を要します。だからこそ、意図的に実績をつくりにいく姿勢が重要です。特定業界・特定企業に集中して導入事例をつくる、モニター契約や限定プランで導入ハードルを下げるなど、最初の成功例をつくる施策を講じる必要があります。さらに、既存事業のブランドや顧客チャネルが活用できる場合は、社内連携により信用を補完し、立ち上げスピードを加速させていきましょう。ポイント問い合わせが自然には増えない顧客との信頼醸成に時間がかかる実績のある競合と比較された際に不利<解決策>初期フェーズでは、狙った市場で確実に事例を獲得することに集中し、トライアルや限定プランで導入障壁を下げる。あわせて、既存事業のブランドや顧客チャネルが活用できる場合は積極的に組み合わせ、信頼獲得のスピードを高める。効果的な営業計画の立て方新規事業は、前年データや売上モデルがないため実態に基づいた仮説検証型の営業計画を作ることが重要です。大事なのは机上でだけでなく、まず市場に出て実態を把握し、売れない理由を改善のヒントにし、現場の手応えをもとに計画を育てることが成功への近道です。ステップ1:正確なペルソナを作成するペルソナとは、理想的な顧客像を具体的に描いたものです。新規事業では、製品やサービスを利用してほしい人物像を想定することで、伝えるべきメッセージ(メッセージング)、アプローチすべき相手(ターゲット部署・役職)、有効なツールが明確になります。BtoBの場合は、対象企業像として設定するとよいでしょう。具体的にイメージすることで、何を伝えるべきか(メッセージング)、誰にアプローチすべきか(ターゲット部署・役職)、どのようなツールが有効かが明確になります。<不十分なターゲット設定の例>企業プロフィール・製造業・社員数300~500名・本社は地方・都内に営業所あり 営業部門の状況・営業人員の管理に課題 <効果的なペルソナの例(詳細度が高いほど良い)>企業プロフィール・業種:精密部品メーカー・所在地:名古屋(本社/工場)、東京(支社)・社員数:約400名・経営体制:創業家2代目が5年前に就任、トップダウン型からボトムアップ型へ移行中営業部門の状況・営業人員:18名(入社3年未満が半数、若手中心。本社/10名、支社/8名)・組織体制:営業部長は東京在住。週1回本社に訪問。日常のマネジメントは本社・支社それぞれの課長が担う。・課題:新規開拓が弱い、営業ノウハウが属人的、部長一人でのマネジメントが限界に・ニーズ:営業プロセスと案件状況の可視化、若手育成とノウハウ共有の仕組み・予算権限:経営層 キーマンは営業部長このように具体的にイメージすることで、何を伝えるべきかが明確になります。実際の営業活動を通じて乖離が見つかれば、柔軟にペルソナを修正することが重要です。 ペルソナ作成の具体的な手順やテンプレートについては、ペルソナの作り方|テンプレート&記入例で即実践で詳しく解説しています。ステップ2:営業リストの作成と再調整ペルソナが明確になったら、同じ特徴を持つ企業を集めた企業リストを作成します。このリストは単なる企業名簿ではなく、仮説検証の母集団として活用します。目安は50〜100社程度で、一斉にアプローチでき、同じストーリーを提案できる企業群が理想自社データベースと照合し、既存の接点がある企業は突破口として活用可能別事業で関わったことのある担当者がいれば、既存の関係性を活用して担当者名を確認接点が全くない場合は、Webサイトなどで情報収集<効果的な立ち上げ期リストの条件>50~100社程度の規模小さすぎず、検証に十分な数。大きすぎず、リソースを集中できる数。同じストーリーで提案できる企業群提案内容を企業ごとに大きく変える必要がない一斉にアプローチが可能仮説の検証期間を短縮できるステップ3:収益のシミュレーションと投資判断新規事業の営業計画には、収益予測とコスト計算の両面が欠かせません。過去実績がない場合は、「目標売上から逆算する」アプローチが一般的です。<収益シミュレーションの考え方>カテゴリー具体的な項目考え方収益面・販売価格・粗利益・販売数量予測想定単価と、目標売上から算出した必要契約数を設定。コスト面・広告宣伝費・営業キャンペーン費用・外部委託費・人件費必要契約数を達成するための営業活動量(アポ数、商談数)を算出し、コストを算出。投資判断・初期投資額・損益分岐点・回収期間「いつまでに」「いくらの売上」があれば投資は正当化されるかを明確にし、社内(特に経営層)との合意形成を図る。予算配分の考え方新規事業における予算配分は、慎重派は「慎重に小さく始めるべき」、積極派は「初期から投資してスピードを出すべき」と意見が分かれることがあります。最適なのは、段階的な投資計画を立て、初期成果を見ながら柔軟に予算を調整することです。特に立ち上げのフェーズでは、売上よりも顧客の声(VOC)の収集や営業プロセスのボトルネックの発見にコストを重点的に割くことが重要です。また、広告宣伝や営業キャンペーン費用、一部業務の外部委託費、人員の一時増員費用なども事前に計算しておくと、より現実的な計画が立てられます。営業組織を構築する具体的な3ステップ新規事業の営業組織構築には、既存事業とは異なる「探索と実行」を両立させるアプローチが必要です。具体的なステップは以下の3つです。ステップ1:戦略的な市場・競合調査(営業戦術への直結)新規事業の営業立ち上げで最も重要なのは、単なる情報収集ではなく「営業戦略に直結する調査」を行うことです。初期段階で徹底的に深掘りすることで、後の方針転換コストや無駄な営業工数を大幅に減らせます。調査は次の二本柱で進めます。①定量調査:事業性とポジショニングの検証市場の事実を数値で把握し、初期の注力ポイントを定めます。具体的には、市場規模・成長率の把握事業のスケール感と将来性を予測する。競合シェア・ポジショニング分析競合の強み・弱みを可視化し、未着手領域(機会領域)を特定。これにより自社の初期ポジションを明確化する。②定性調査:顧客インサイトと購買プロセスの特定顧客の「なぜ買うのか」「どのように買うのか」を現場で把握し、営業活動の骨格を作ります。具体的には、潜在顧客への深掘りヒアリング想定顧客の真の課題(Pain Points)と、提供価値が「不可欠」と認識されるかを検証する。購買プロセスのマッピング(BANT等の視点で)課題認識〜意思決定までのステップを詳細に洗い出し、各段階で最も効果的な情報(資料・事例・データ)を特定する。調査で得た定量・定性の知見は、次の「営業プロセス設計」「KPI設計」の精度を決定的に高めます。ここで時間をかけて仮説を固めることが、後の方針転換コストを抑え、迅速な市場適応を可能にします。ステップ2:営業プロセスの設計新規事業では、興味喚起からクロージング、アフターフォローまでの一連の営業プロセスを、再現性を意識して設計することが重要です。少人数でもプロセスを機能させるためには、役割分担の明確化が不可欠です。立ち上げ期における主な役割と求められるスキルリード獲得担当(SDR/BDR)テレアポ、メール営業、イベント対応を担当。コミュニケーション力と仮説検証を恐れないマインドが必要。少人数でも効率的にリードを獲得する体制づくりについては、インサイドセールス立ち上げガイドもあわせてご確認ください。商談担当(フィールドセールス)ヒアリング、プレゼン、交渉を実施。提案力、課題解決力、製品への深い理解と自信が求められる。カスタマーサクセス担当導入支援や活用促進、継続フォローを担当。顧客志向、顧客の声の収集力、問題解決力が重要。提案資料作成担当資料デザインやデータ分析を担当。論理的思考とデザインスキルが必要。フェーズごとの役割とスキルを明確にすることで、少人数体制でも効率的かつ再現性の高い営業活動を実現できます。ステップ3:組織体制の構築とデータ活用の仕組み整備新規事業では、既存事業の資産を活かしながら、独自のスピードで動ける体制づくりが必要です。体制を整えることで、既存事業の強みを活かしつつ、高速で改善できる新規事業の営業組織が実現します。組織体制のポイント既存リソースを戦略的に活用既存顧客基盤、ブランド力、社内ネットワークを活かし、立ち上げスピードを加速させる。橋渡し役の設置(アライアンス担当)既存部署と新規事業をつなぐ役割を明確化し、情報共有・リソース調整を円滑にする。意思決定の独立性確保既存事業の承認フローに飲まれず、迅速に判断できるプロセスを構築する。データ活用基盤の整備営業活動は感覚ではなくデータで改善。SFA/CRMで情報を集約し、継続的に改善サイクルを回します。SFA/CRM導入(最初は簡易ツールでも可)顧客情報・商談状況を一元管理し、進捗をリアルタイムに可視化。KPI設定と継続計測アポ数、商談化率、受注率、平均商談期間などの指標を追跡し、ボトルネックを特定。データドリブンマネジメント個人の勘ではなく、データに基づき指導・改善する体制を構築。属人化を脱却し、再現性のある営業組織を構築する方法については、強い営業組織の作り方で詳しく解説しています。外部リソース別(営業代行・派遣・フリーランス)の活用方法新規事業の営業立ち上げでは、限られた人員と予算という制約の中、営業マニュアルの整備や管理体制の構築、そしてリスト企業への迅速なアプローチが求められます。この課題をクリアするために、外部リソースを戦略的に活用するのも有効な手段となります。活用法1:営業代行会社(アウトソーシング)の戦略的活用新規事業において営業代行会社を活用する最大のメリットは、「スピード」と「ノウハウ」を同時に獲得できる点にあります。<営業代行会社を活用するメリット>短期集中で商談機会を確保し、検証に必要な商談母数を短期間で積み上げることで、自社チームは「勝ちパターン」を見つけるための分析と検証に集中できます。即戦力による商談・同行を通じて、経験豊富な外部パーソンが顧客の生の声(VOC)の収集を加速させ、自社組織がゼロからノウハウを構築する時間を大幅に短縮します。コンサルティング機能を持つ代行会社に委託することで、戦略策定や営業プロセス設計において客観的な知見を得られ、立ち上げ期の効率的な役割分担を実現します。活用法2:営業派遣・フリーランスの柔軟な活用「人」のパワーを一時的に補強したい、特定のスキルを短期間で借りたい場合に適した方法です。営業代行会社よりもコストを抑えやすく、コントロールがしやすいのが特徴です。<営業派遣のメリット>必要な期間だけ、指示系統のもとで稼働。営業事務(SFA入力、データ整備)やターゲットリストの作成・精査など、定型化されたタスクを任せることで、正社員の営業工数を削減できます。<フリーランス活用のメリット>特定の専門スキル(例:特定業界のネットワーク、BtoBマーケティングスキル)に特化して依頼可能。「明確なペルソナ設計」の支援や、特定の難易度の高い大口顧客へのアプローチなど、スポットでの支援に最適です。外部リソースを活用する際は、顧客の声やトーク内容を自社で蓄積・分析し、質的指標を重視して評価しつつ、市場反応に応じて短サイクルで戦術を修正することで、機動的に事業成長を加速ことが必要です。立ち上げ期に成果を出す営業組織の5つの原則新規事業の営業は簡単なことではありませんが、適切なマインドセットと組織文化があれば、大きな成果を生み出せます。原則1:リーダー自らが結果を出すリーダーやマネージャーが率先して成果を出すことは、新規事業の成功に不可欠です。結果を出している上司の言葉には説得力があり、チームに一体感をもたらします。また、「商品が悪い」といった言い訳を許さない文化も育まれます。逆に、リーダー自身が結果を出せない場合は、メンバーのモチベーションが下がり、「自分も売れないのは仕方ない」「商品が悪い」といった言い訳が増えやすくなります。そのような組織では、新規事業を成功させることは極めて難しいといえるでしょう。原則2:安易な値下げをしない値下げは短期的には受注につながる場合がありますが、長期的には事業価値と収益性を損なうリスクがあります。具体的には、製品価値の毀損、利益率の悪化、営業担当者のモチベーションの低下を招きます。競争が激しい環境では価格に頼りたくなる場面もありますが、安易な値下げは避けるべきです。値下げを認めるのは、一括発注や長期契約など、明確な経済的合理性がある場合に限り、それ以外では価格ではなく提供価値で選ばれる状態をつくることが重要です。原則3:義務から意欲への転換営業におけるモチベーションには大きく2種類あります。一つは「義務のモチベーション」で、売らなければならない、売ったら給料がもらえるといった受け身の動機です。これは強制されるため長続きせず、行動にも限界が出ます。もうひとつは「意欲のモチベーション」で、「売りたい」「自分の手で世に広めたい」という自主的な動機です。意欲があると、アポ獲得率や商談成功率など行動が目に見えて向上します。新規事業の営業では、義務から意欲への転換を図ることが重要です。そのためには、日常的にサービスを広げる意義や導入した顧客の成功事例を共有し、社会的インパクトを実感できる機会を作ることが効果的です。営業担当が「自分の手で世に広めたい」と感じられる環境を整えることで、自然と意欲が高まり、行動も変わってきます。原則4:共有し高めあう仲間意識新規事業の営業では、「自分だけ売れればいい」という個人主義は避けるべきです。大切なのは、チーム全員で成功をつかむ一蓮托生の意識です。チームの底上げのためには、些細なことでも成功事例や効果的なトークやツールの共有、困っているメンバーをサポートする文化をつくることが重要です。成果は個人のものではなくチーム全体のものと捉え、仲間意識を育むことで、新規事業の困難を乗り越える力が生まれます。原則5:製品に心から自信を持つ顧客は、明るく自信にあふれた営業から購入したいと考えます。実績のない新規事業だからこそ、製品の価値を信じ抜くマインドが不可欠です。自信を持つためのポイントは、製品がもたらすメリットを具体的にイメージし、顧客に価値を提供できるという誇りを持つことです。売り手自身が製品の価値を信じ、顧客に提供する喜びを感じられれば、自然と営業意欲も高まります。結果が停滞しているときは、製品の価値を再確認するミーティングを定期的に行うことも有効です。よくある質問(FAQ)Q1.既存の営業メンバーを新規事業に異動させるべきですか? 一概には言えません。既存事業の営業スキルが新規事業で通用するとは限らず、既存部署の業績にも影響します。一方で、社内ノウハウや既存顧客との関係性を活かせるメリットもあります。推奨アプローチは、新規事業に適性のある人材を見極め、段階的に配置転換することです。適性評価を慎重に行いましょう。 Q2.新規事業の営業目標はどう設定すればいいですか? まず市場規模と獲得可能シェアを推定し、営業活動量(アポ数、商談数、受注率など)から逆算します。3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と段階的な目標を設定し、実績に基づいて定期的に見直すことが重要です。無謀な数字でも堅実すぎる見込みでもなく、実態に基づいたリアルな目標設定を心がけましょう。 Q3.営業活動で得た顧客の声(VOC)をどう活用すればいいですか? VOCは製品改善(機能追加や使い勝手向上)、営業戦略の修正(ターゲットやメッセージの見直し)、マーケティング施策(効果的な訴求ポイントの発見)、価格設定の最適化に活用できます。定期的にVOCを整理・分析し、開発部門やマーケティング部門にすぐ共有できる仕組みを作ることが成功の鍵です。 Q4.少人数で新規事業の営業を始める場合、何から手をつけるべきですか? まず正確なペルソナ作成から始めましょう。理想的な顧客像を詳細に定義することで、限られたリソースを効率的に使えます。次に50~100社程度の営業リストを作成し、優先順位をつけてアプローチします。同時に、営業代行会社などの外部リソース活用も検討し、自社の弱い部分を補完する体制を早期に構築することをおすすめします。 Q5.新規事業の営業で最も重要なKPIは何ですか? 立ち上げフェーズでは、受注額だけでなくプロセス指標が重要です。具体的には、アポ獲得率、商談化率、受注率、平均商談期間、顧客単価などです。これらを継続的に測定し、ボトルネックを特定して改善します。また、定量指標だけでなく、顧客の反応や断られた理由などの定性情報も重視し、総合的に事業の健全性を判断しましょう。 Q6.競合との差別化が難しい場合、どう営業すればいいですか? 製品機能だけでなく、顧客体験全体で差別化を図りましょう。具体的には、導入支援の手厚さ、アフターフォローの質、業界特有の課題への理解度、レスポンスの速さなどです。また、ペルソナを深く理解し、競合が見落としている潜在ニーズに応えることで独自のポジションを確立できます。顧客の声を丁寧に拾い、継続的に改善する姿勢が差別化につながります。 Q7. 限られた営業予算やリソースを、どの活動に優先的に配分すべきですか?初期は、「顧客ニーズの確度を高める活動」と「勝ちパターンの検証」に集中します。具体的には、ターゲット顧客へのヒアリングやペルソナ精度向上、反応が良かったアプローチへの追加投資を優先します。大規模な広告投資は控えましょう。最優先すべきは、小さく成功を収めることです。その成功事例を、追加予算獲得のためのデータとして活用することを目的とします。Q8. 新規事業の営業活動に対し、既存事業の部門から協力を得るための効果的なアプローチはありますか?新規事業が既存事業の売上を奪うのではないかという、社内から生じがちな懸念を解消することが重要です。そのため、新規事業が将来的に既存事業の顧客層を広げることや、会社の未来を支えることを、数値やビジョンで示し、全社的な意義を強調します。具体的な協力として、既存顧客へのヒアリング協力を依頼し、既存営業メンバーへは新製品情報を提供します。そして、新規事業で得られた成功事例を共有することで、協力の価値を社内に浸透させることが効果的です。まとめ 新規事業の営業立ち上げは、確かに困難な道のりです。しかし、適切な戦略と組織構築、そして強いチームがあれば、必ず成功への道は開けます。 新規事業の営業は、単なる売上獲得活動ではありません。市場のニーズを発見し、製品を磨き、事業を成長させる重要な役割を担っています。 本記事の重要ポイント 新規事業特有の課題を理解する人員・予算の制約、市場ニーズの把握、ターゲットの明確化、勝ちパターンの確立 戦略的な営業計画を立てる正確なペルソナ作成、効果的な営業リスト、現実的な収益シミュレーション 外部リソースを賢く活用する営業代行会社、派遣、フリーランスを適切なタイミングで活用 組織構築を段階的に進める市場調査 → 営業プロセス設計 → 組織体制構築 高速でPDCAを回す計画・実行・検証・改善のサイクルを継続的に回す 強いチームを作るリーダーシップ、適正価格の維持、意欲の醸成、仲間意識、製品への自信 新規事業の営業立ち上げ、一人で抱え込んでいませんか? 本記事でも触れたように、新規事業の営業は「限られた人員と予算」「勝ちパターンの未確立」「知名度・実績ゼロからのスタート」など、既存事業とは異なる壁に直面します。営業ノウハウや成功モデルがない中で、短期間に成果を出す体制を構築することは容易ではありません。マイナビProfessionalは、営業戦略の策定から現場での実行まで、経験豊富なプロ人材が貴社チームの一員として伴走する課題解決サービスです。6万人超のデータベースから、新規事業立ち上げや営業組織構築の実績を持つ即戦力人材を最短3週間でアサイン。外部人材と協働しながら「勝ちパターン」を構築し、プロジェクト終了後も社内にノウハウが残る設計で、自走できる営業組織への成長を支援します。「営業体制をどう組めばいいかわからない」「まずは情報収集から始めたい」という段階でも問題ありません。まずはサービス資料をご覧いただき、お気軽にご相談ください。