「採用戦略を立て直したいが、何をどう考えればいいのかわからない」。そうした場面で使われるのが、3C分析やSWOT分析といったフレームワークです。ただし、フレームワークを調べると8つも9つも出てきて、今度は「どれを使えばいいのか」で手が止まってしまう方も多いのではないでしょうか。結論から言えば、すべてを使う必要はありません。自社が今どこでつまずいているかによって、使うべきフレームワークは決まります。本記事では8つのフレームワークを採用文脈での記入例つきで解説し、自社の課題から逆引きで選べる早見表までを紹介します。採用戦略のフレームワークは「採用課題」から逆引きで選ぶ採用戦略のフレームワークとは、採用活動の現状分析・課題整理・施策立案を、決まった型に沿って進めるための思考の枠組みです。3C分析やSWOT分析など、もともとマーケティングで使われてきた手法を、採用の文脈に置き換えて使います。重要なのは、8つすべてを使う必要はないという点です。フレームワークは「自社が今どこでつまずいているか」から逆引きで選ぶのが最短ルートになります。応募が集まらない → 3C分析・STP分析(誰に何を届けるかの設計不足)応募は来るが求める人材と違う → ペルソナ分析(採用要件の言語化不足)選考の途中で辞退される → 採用ファネル・カスタマージャーニーマップ(プロセスの詰まり)内定辞退が続く → 4C分析(候補者から見た価値の弱さ)何から手を付けるか決まらない → TMP設計(全体設計の骨格づくり)まずは1つ、多くても2〜3つ。これがフレームワーク活用の現実的な使い方です。採用戦略のフレームワークとは|使う目的と3つの効果採用戦略とは、経営戦略や事業計画を実現するために、必要な人材を適切なタイミング・手法で採用するための中長期的な方針です。フレームワークは、この方針を勘と経験ではなく、再現性のある手順で組み立てるための道具にあたります。背景には、労働人口の減少による売り手市場の長期化と、働き方の多様化があります。求人媒体に掲載して応募を待つだけでは必要な人材を確保できなくなり、誰に何をどう伝えるかを設計する必要が生まれました。フレームワークを使う3つの効果効果1:検討の抜け漏れを防げる枠組みが「見るべき項目」を先に示してくれるため、自社の視点だけで考えて、競合の動向や求職者の実態を見落とす事態を避けられます。効果2:社内の合意形成が速くなる採用要件を言葉ではなくフォーマットで共有できるため、経営層や現場マネージャーとの「思っていた人物像と違う」というズレを、選考が始まる前に潰せます。効果3:改善の起点が明確になるどういう前提で戦略を組んだのかが記録として残るため、成果が出なかったときに見直すべき箇所を特定できます。採用戦略に使えるフレームワーク8選8つのフレームワークを、使う順番でもある3つの目的別に整理します。ターゲット設計(誰を採るか)→ 訴求設計(何をどう伝えるか)→ プロセス設計(どう選考を通すか)の順です。各フレームワークは「定義」「採用文脈での記入例」「使いどころ」の3点で解説します。記入例は自社の状況に置き換えて、そのまま書き出してみてください。①ペルソナ分析|求める人物像を一人の人物として描く(ターゲット設計)ペルソナ分析とは、自社が採用したい理想の人物像を、実在する人間のように詳しく設定する手法です。年齢や性別だけではなく、現在の仕事内容、抱えている不満、将来の夢、価値観や転職理由、キャリアなど細かく定義します。<記入例>32歳SaaS企業の法人営業5年プレイヤーとしては評価されているがマネジメント経験を積む機会がなく頭打ち感がある。裁量と意思決定スピードを重視/転職を考えたきっかけは新任上司との方針の不一致。<使いどころ>ここまで具体化できると、求人票の見出しもスカウト文面も自動的に決まります。応募は来るが求める人材と違う、という状態のときに最初に立ち返るフレームワークです。人物像を具体的にすることで、社内で「どのような人材を採用したいのか」という共通認識が生まれ、選考段階での「思っていた人物像と違う」といった認識のズレを防ぐことにもつながります。 【関連記事】「今日から使えるペルソナの作り方|テンプレート&記入例で即実践」②3C分析|自社・競合・求職者の3視点で立ち位置を確認する(ターゲット設計)3C分析は自社・競合・求職者の3つの視点から採用戦略を考えるフレームワークです。3C分析によって自社の立ち位置を客観視でき、どの層を狙えば勝率が高いかという戦略的な判断が可能になります。Company(自社):自社ならではの訴求ポイントを明確にするCompetitor(競合):競合他社がどのような条件や魅力で募集しているかを調査するCustomer(求職者):ターゲットが求める条件や転職理由、現在の就職動向を把握する<記入例>Customer(求職者)=30代前半・年収600万円台・リモート勤務可を重視。Competitor(競合)=同商圏の同業3社が同職種を年収650万円・フル出社で募集。Company(自社)=年収では劣後するが、週3リモートと副業可という条件を出せる。<使いどころ>応募が集まらないときに、原因が条件面なのか届け方なのかを切り分けられます。Competitor(競合)の欄は想像で埋めず、実際の競合求人3社分を読んで書くのが鉄則です。【関連記事】「【テンプレ付き】3C分析のやり方|失敗しない進め方と戦略への活かし方を解説」③STP分析|採用市場のどこで戦うかを決める(ターゲット設計)STP分析は、Segmentation(市場の細分化)・Targeting(狙う層の決定)・Positioning(立ち位置の明確化)の3段階で構成されるフレームワークです。採用では「全方位に募集をかけない」ための判断に使います。<記入例>Segmentation(市場の細分化)=候補者を「大手で裁量が得られず燻っている30代」「専門性を高めたい20代後半」「地元にUターンしたい層」に分ける。Targeting(狙う層の決定)=自社が最も価値を提供できる1つ目のセグメントに絞る。Positioning(立ち位置の明確化)=「意思決定に関われる規模感」で大手と差別化する。<使いどころ>使いどころ:知名度でも年収でも大手に勝てない企業ほど効果があります。勝てない相手と同じ土俵で戦っていないかを確認する一枚です。【関連記事】「STP分析の進め方|準備から戦略立案まで7ステップで解説」④SWOT分析|採用面の強み・弱みと外部環境を掛け合わせる(訴求設計)自社の現状をより詳細に分析したいときはSWOT分析が有効です。自社の強みや弱みを洗い出すだけではなく、市場のトレンドや法改正といった外部要因が、自社の採用にどう影響するかを整理します。Strength(強み)/Weakness(弱み)/Opportunity(機会)/Threat(脅威)の4象限で構成されます。採用で価値を発揮するのは、4象限を出した後の掛け合わせ(クロスSWOT)です。<記入例>強み「副業可」×機会「副業を容認する企業を探す層の増加」=副業可を求人票の第一訴求に据える。弱み「知名度が低い」×脅威「大手の中途採用強化」=求人媒体への依存をやめ、予算をリファラル採用に振り替える。<使いどころ>4象限を埋めただけで終わる例が非常に多いフレームワークです。必ず掛け合わせて「だから何をするか」まで書き切るようにしましょう。【関連記事】「SWOT分析の進め方|事例付きで基本から実践までわかりやすく解説」⑤4C分析|求職者から見た自社の価値を捉え直す(訴求設計)4C分析は、Customer Value(顧客にとっての価値)・Customer Cost(顧客が負担するコスト)・Convenience(利便性)・Communication(コミュニケーション)の4視点で考えるフレームワークです。採用では「顧客」を「候補者」に置き換えます。<記入例>Value(候補者にとっての価値)=立ち上げ期の事業を任される経験が積めるCost(候補者が負担するコスト)=年収は横ばい、立ち上げ期特有の業務負荷があるConvenience(利便性)=週3リモート・フレックス制Communication(コミュニケーション)=一次面接の前にカジュアル面談を設定。<使いどころ>Costを正直に書けるかが分かれ目です。候補者が払う対価を書けない求人票は、面接の場で必ず見抜かれます。内定辞退が続くときに立ち返るフレームワークです。【関連記事】「4C分析の進め方|4P・3Cとの違いから活用手順まで徹底解説」⑥TMP設計|採用活動全体の骨格をつくる(訴求設計)TMP設計は、Targeting(誰を採るか)・Messaging(何を伝えるか)・Processing(どう選考するか)の3要素で採用活動を設計する、採用領域に固有のフレームワークです。<記入例>Targeting(誰を採るか)=事業開発の経験がある30代前半Messaging(何を伝えるか)=立ち上げ責任者としての裁量と、経営層との距離の近さProcessing(どう選考するか)=書類選考なしのカジュアル面談から開始し、初回接触から2週間以内に内定を出す。<使いどころ>何から手を付けるか決まらないときの、最初の一枚に向いています。3つの欄が埋まらない部分が、そのまま自社の弱点になります。⑦採用ファネル|どの段階で候補者が抜けているかを特定する(プロセス設計)ファネル分析とは、応募から採用までの各プロセスを数値で分析し、課題や改善点を明らかにするフレームワークです。求人閲覧数応募数書類選考通過率面接通過率内定承諾率などを段階ごとに確認することで、どこで応募者が離脱しているのかを把握できます。<記入例>応募100名 → 書類通過50名(50%)→ 一次面接通過20名(40%)→ 内定10名 → 内定承諾5名(50%)この場合、打つべき手は求人媒体の追加ではなく、一次面接の評価基準の統一と、内定承諾率の改善に向かいます。<使いどころ>数字を並べるだけで、社内にある「母集団が足りない」という思い込みを覆せることが少なくありません。改善の議論を始める前に、まずこの表を作ってください。ボトルネックとなっている工程を特定することにより、求人内容や選考フローの見直しなど、具体的な改善策を検討できるようになります。⑧カスタマージャーニーマップ|候補者の心理と接点を時系列で可視化する(プロセス設計)カスタマージャーニーマップとは、求職者が企業を認知してから応募・入社に至るまでの行動や心理を可視化するフレームワークです。企業との接点ごとに、求職者が「どのような情報を得て」「何を感じ」「どのような行動を取るのか」を整理することで、応募や選考辞退につながる要因を把握できます。<記入例>「検討」段階で候補者は口コミサイトを見るそこで生まれる不安は「離職率の高さ」打ち手は社員インタビュー記事の公開と、面接での定着率の開示。<使いどころ>採用ファネルが「どこで落ちたか」を示すのに対し、カスタマージャーニーマップは「なぜ落ちたか」を示します。2つはセットで使うと精度が上がります。【関連記事】「【テンプレ付き】カスタマージャーニーマップの作り方|7ステップで失敗しない実践ガイド」課題別・企業規模別のフレームワーク使い分け早見表ここまで8つのフレームワークを見てきましたが、すべてを使う必要はありません。自社の採用がどこでつまずいているかによって、選ぶべきフレームワークは変わります。こんな症状が出ている推定される原因使うフレームワーク作るアウトプット求人を出しても応募が集まらない誰に何を届けるかの設計不足。競合と同じ条件で同じ層を狙っている3C分析 → STP分析競合3社との条件比較表と、狙うセグメントの決定応募は来るが求める人材と違う採用要件が言語化されておらず、求人票の表現が広すぎるペルソナ分析1名分のペルソナシートと、必須要件・歓迎要件の分解書類選考の通過率が極端に低い現場と人事で評価基準がずれているペルソナ分析 → 採用ファネル評価基準の統一シートと段階別通過率の一覧選考の途中で辞退される選考期間が長い、または候補者体験に問題がある採用ファネル → カスタマージャーニーマップ段階別の離脱率と、接点ごとの不安の洗い出し内定辞退が続く候補者から見た自社の価値が競合に対して弱い4C分析候補者視点での価値・コスト・利便性・接点の整理入社後の早期離職が多い選考時の情報開示が不足し、期待値がずれているカスタマージャーニーマップ入社後までを含めた接点マップと開示情報の見直しそもそも何から手を付けるか決まらない採用活動全体の設計がないTMP設計誰に・何を・どう選考するかの1枚の骨格訴求内容が毎回ぶれる自社の強みと外部環境の整理がされていないSWOT分析(クロスSWOT)強み×機会/弱み×脅威から導いた打ち手2つ2つ以上に当てはまる場合は、上の行から着手していきましょう。ターゲット設計の問題を放置したまま選考プロセスだけを改善しても、成果にはつながりにくいためです。企業規模別の使い分け(大企業/中小企業/ベンチャー)①大企業大企業は応募数を確保しやすい一方、選別の精度とスピードが課題になります。採用ファネルで各段階の通過率を管理し、SWOT分析で訴求内容を定期的に見直す組み合わせが有効です。②中小企業中小企業の採用戦略では、知名度と予算の不足を前提に置く必要があります。STP分析で戦う場所を絞り込み、4C分析で候補者が払うコストを直視した訴求を組み立てるのが現実的です。大手と同じ層を同じ条件で追わないという判断が、最も費用対効果に効きます。③ベンチャー・スタートアップベンチャー・スタートアップでは、経営者の頭の中にある人物像を言語化することが最優先です。ペルソナ分析とTMP設計の2つだけで十分に機能します。【関連記事】「中小企業の採用方法7選|即戦力を確保する進め方と成功のポイント」新卒採用と中途採用での使い分け新卒採用は、学生との接触期間が1年以上にわたります。認知から入社までの接点が多いため、カスタマージャーニーマップとの相性が良く、各段階でどの情報を出すかの設計が成果を左右します。中途採用は、候補者が複数社を同時に比較検討し、意思決定までの期間が短いのが特徴です。4C分析で他社と並べたときの自社の価値を明確にし、採用ファネルで選考リードタイムを管理する組み合わせが効きます。採用戦略の立て方7ステップとフレームワークの組み込み位置フレームワークは単体で使うものではなく、採用戦略を立てる流れのなかに組み込んで使います。7つのステップと、各段階で使うフレームワークの対応は次のとおりです。ステップ1:経営戦略・事業計画を確認する採用戦略は経営戦略や事業計画を起点に考えることが重要です。採用は人員を補充するためだけではなく、事業目標を実現するための手段でもあります。そのため、まずは「今後どのような事業を展開するのか」「どのような組織を目指すのか」を確認しましょう。たとえば、新規事業への参入を予定している場合は専門知識を持つ人材が必要になる一方、既存事業を拡大する場合は営業職やサポート職の増員が優先されるケースもあります。採用人数だけではなく、「なぜその人材が必要なのか」という背景まで整理しておくことで、その後の採用基準や訴求内容にも一貫性を持たせられます。ステップ2:現状を分析し要員計画を策定する次に、理想の組織と現在の組織のギャップを把握します。現在の社員数やスキル、年齢構成、退職予定などを整理し、事業計画の実現に向けて不足している人材を明確にしましょう。この分析をもとに、どの部署でどの職種を何人採用するのかを整理した要員計画を作成します。この段階では、採用だけで課題を解決しようとするのではなく、育成や異動によって対応できないかもあわせて検討すると、より現実的な計画になります。また、現場の管理職と連携し、実務レベルで不足している機能やスキルを具体的に洗い出して現場の声を反映することで、入社後のミスマッチを防ぐことができます。<使うフレームワーク>SWOT分析ステップ3:求める人物像と採用基準を明確にする要員計画が決まったら、具体的にどのような人物を採用したいのか、求める人材像を詳細に設定します。必要なスキルや経験だけではなく、価値観や仕事への取り組み方まで整理することでミスマッチ防止につながります。採用基準は必須条件(Must)と歓迎条件(Want)に分けて整理しましょう。条件を増やしすぎると応募対象が狭くなり、採用が難航する可能性があります。面接官による評価のばらつきを防ぐためにも、「どのような質問で何を確認するのか」まで共有しておくことが大切です。<使うフレームワーク>ペルソナ分析STP分析ステップ4:自社の強み分析と魅力の言語化仕事内容やキャリアパス、企業文化、働き方などを整理し、自社の魅力を言語化します。「裁量が大きい」「若手でも挑戦できる」など、自社の特徴をそのまま伝えるだけではなく、ターゲットにとってどのような価値があるのかまで落とし込むことがポイントです。整理した内容は、求人票やスカウトメール、面接など、候補者との接点で一貫して伝えられるようにしましょう。<使うフレームワーク>3C分析4C分析ステップ5:採用手法・チャネルを選定するターゲットに合わせて適切な採用チャネルを選びます。採用手法には以下のような多様なチャネルがありますが、それぞれ得意とするターゲットや費用、工数が異なるため、人物像や採用目的に応じて使い分けることが大切です。1つのチャネルだけに依存するのではなく、複数の手法を組み合わせることで、採用機会を広げられます。<採用手法の例>求人広告人材紹介ダイレクトリクルーティングリファラル採用SNS採用<使うフレームワーク>TMP設計(Processing)ステップ6:実行スケジュールとKPIを設定する採用活動を円滑に進めるために、具体的な実行スケジュールとKPIを設定します。採用目標から逆算し、募集開始時期や選考期間、内定時期などを見積もりましょう。また、多角的な視点でKPIを設定して定期的にモニタリングを行うことで、採用活動の課題を把握しやすくなります。分析結果をもとに改善施策を検討・実施することで、採用活動の精度向上につながります。 <KPI設定内容例>応募数採用単価書類選考通過率面接通過率内定承諾率採用後の定着率<使うフレームワーク>採用ファネルステップ7:PDCAサイクルの構築採用戦略は、一度立てたら終わりではありません。採用市場や事業環境は変化するため、定期的に成果を振り返り、必要に応じて戦略を見直すことが重要です。応募数や内定承諾率だけでなく、入社後の定着率や活躍状況も確認することで、採用活動全体を改善できます。また、人事だけではなく、経営層や現場とも情報を共有しながらPDCAを回すことで、自社に合った採用戦略を継続的にブラッシュアップできます。<使うフレームワーク>採用ファネルカスタマージャーニーマップフレームワークが機能しない3つの失敗パターンと対策フレームワークを使ったのに採用が改善しない、という声は少なくありません。原因はほぼ3つに集約されます。失敗要因1:枠を埋めることが目的化する原因は、フレームワークを「完成させるべき成果物」と捉えてしまうことです。4象限がきれいに埋まった時点で満足してしまい、そこから何を決めるのかが抜け落ちます。対策は、埋める前に「これを埋めたら何を決めるのか」を一行で書いておくことです。3C分析なら「求人票の第一訴求を決める」採用ファネルなら「次に手を入れる選考段階を決める」決めることが書けないなら、そのフレームワークは今の自社には不要です。失敗要因2:社内の情報だけで埋めてしまう競合の求人票を読んだり候補者に話を聞いたりする工数が取れず、3C分析やSWOT分析を社内の想像だけで埋めてしまうケースです。この場合、出てくる結論は現状の追認にしかなりません。対策は、一次情報の最低ラインを決めることです。同職種の競合求人3社分と、直近の内定辞退者・入社者それぞれ3名へのヒアリング。この2つを入れるだけで、フレームワークの精度は大きく変わります。なお、自社の弱みや、候補者から見たときの魅力の乏しさは、社内の人間だけでは直視しにくい領域でもあります。第三者の視点を一度入れることで、議論が前に進みやすくなります。【関連記事】「人事アウトソーシングとは?委託できる業務・費用相場・失敗しない選び方を解説」失敗要因3:一度作って更新されない作成が単発のイベントで終わり、更新の担当者と頻度が決まっていないパターンです。採用市場も自社の事業計画も変化するため、半年前のペルソナは高い確率で実態と合わなくなります。対策は、更新のリズムを先に決めることです。採用ファネルの数値は月次、ペルソナと3C分析は半期ごと。担当者名と次回の見直し日をシートに書き込んでおけば、形骸化はかなり防げます。採用戦略のフレームワークに関するよくある質問(FAQ) Q1.フレームワークは何個使えばよいですか1〜3個で十分です。最初の1枚に迷う場合は、採用活動全体の骨格を作るTMP設計か、要件を固めるペルソナ分析から始めてください。数を増やすほど分析に時間がかかり、肝心の採用活動の開始が後ろ倒しになります。Q2.マーケティングのフレームワークをそのまま採用に使ってよいですか「顧客を求職者に置き換えても成立するもの」に限ります。3C・4C・SWOT・STP・ペルソナ・カスタマージャーニーは置き換えが自然に成立します。一方、価格や流通チャネルを扱う4P分析などは、採用文脈への転用に無理が生じるため避けるのが無難です。Q3.フレームワークを埋めても戦略が決まりません埋める前に「これを埋めて何を決めるのか」を一行で書いてみてください。決めることが書けない場合、そのフレームワークは今の課題に対して必要ないか、埋める情報が社内に足りていないかのどちらかです。後者であれば、競合求人の調査や退職者ヒアリングから着手してください。Q4.採用戦略はどのくらいの頻度で見直すべきですかKPIの確認は四半期ごと、戦略全体の見直しは年1回が目安です。ただし、事業計画が期中に変わった場合や、承諾率が目標を大きく下回った場合は、その時点で要員計画から見直します。Q5.採用戦略の立案を外部に依頼できますか依頼できます。要件定義や戦略設計から支援するコンサルティング型と、スカウト運用や日程調整といった実務を担う採用代行(RPO)型があります。社内にノウハウを残したい場合は、丸投げではなく伴走型を選ぶのが有効です。まとめ|フレームワークは「選ぶ」ために使う採用戦略のフレームワークは、8つすべてを埋めるためのものではありません。自社が今どこでつまずいているかを見極め、打ち手を1つに絞り込むための道具です。まずは早見表から、自社の症状に当てはまる行を1つ選びましょう。そのフレームワークを1枚だけ、競合求人3社分と直近の退職者・入社者へのヒアリングを材料にして埋めてみる。ここまで進めば、次に手を入れるべき場所は自然と見えてきます。採用は企業の未来を創る投資です。限られたリソースを最大限に活用するために、まずは1枚のフレームワークから始めてみましょう。 採用戦略の設計に伴走する「マイナビProfessional」「何から手を付ければよいかわからない」「戦略を立てる時間が取れない」。採用の現場では、こうした状態が長く続きがちです。 マイナビProfessionalは、プロフェッショナルの力を、必要な時に、必要なだけ活用できる人材サービスです。人事・採用・組織領域を含む6分野で、経営戦略から実務の実行までを支援します。強みは2つあります。1つは、顧問から現役の事業責任者まで6万人超のプロ人材データベースから、自社の課題に合う人材を選べること。もう1つは、企業担当と人材担当の2名体制による伴走支援で、協働を通じてノウハウが社内に蓄積されることです。 採用戦略の立案に伴走できる人材がいるかどうか、まずは相談から確認してみてください。